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アーティキュレーションとは

アーティキュレーションとは、フレーズやメロディといった音楽的なアイデアに自分らしい「表情」を与えることです。
言い換えれば、演奏に自分の個性を刻む行為と言えます。

もちろん、特定のギタリストのスタイルを正確に再現したい場合は、その人がどのようなアーティキュレーションを使っているかを細かく観察し、真似することが大切です。初心者のうちは、さまざまなアーティキュレーションを使い分けることが難しいものです。


しかし、それらを少しずつ演奏に取り入れていくと、演奏がより表現豊かになり、中級者へのステップアップにつながります。
さらに上級者は、自分自身のアーティキュレーションを確立することで、ようやく“自分の音”を持つようになります。

 

 

どんな方法があるのか

音楽を表現する方法は無数にありますが、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。(より詳しく知りたい方はTAGAのウェブサイトもご覧ください。)

 

スライド

音にスライドインしたり、スライドアウトしたりすることで、演奏に流れや勢いを加えることができます。特定のフレットから滑らせてもいいですし、あえて適当な位置からスライドしても構いません。スライドの距離や方向を変えるだけでも印象は大きく変わります。

単音だけでなく、コードやダブルストップ(2音)にも応用できるので、リフ作りの幅を広げるうえでも非常に有効です。

パームミュート

パームミュートは多くのジャンルで使われますが、特にロックやメタルなどの重いサウンドでよく登場します。手のひらを軽くブリッジ付近に当てて弦を部分的にミュートすることで、「チャグチャグ」とした独特のリズム感を生み出せます。

ただし、強く押さえすぎると不要なパーカッシブ音が出たり、弱すぎるとミュートが甘くなったりします。
ちょうど良いバランスを見つけるには、少し練習が必要です。

 

スタッカート

スタッカートは、音やコードを短く切る(またはすぐにミュートする)テクニックです。特にオープン弦を含まないコードではやりやすく、タイトなリズム感を出すのに適しています。

単純な8分音符のリズムでも、スタッカートを少し入れるだけで演奏が一気に引き締まり、グルーヴ感が増します。

 

アクセント

アクセントは、スタッカートとは逆に「音を強調する」ための奏法です。
周囲の音よりも少し強く弾くことで、フレーズ全体にメリハリをつけることができます。

難しいのは「どのくらい強く弾くか」という点です。明確な基準はないため、耳で聞いて自然に感じるバランスを見つけることが重要です。 他の音との違いがはっきり聞こえれば十分ですが、極端になりすぎないように注意しましょう。

 

なぜ必要なのか

なぜ料理に味付けをするのか。なぜ服を選び、車を選び、自分のスタイルを持つのか。
アーティキュレーションも同じで、それが演奏者としての個性を形作る大切な要素です。

また、演奏にさまざまな表情をつけることで、音楽が単調になるのを防ぐこともできます。
同じ曲やソロを何度も演奏していても、アーティキュレーションを変えるだけで新鮮な気持ちで演奏できます。

 

 

聴いて学べるアーティキュレーションの例

 

すべてのギタリストがこのテーマに対して異なるアプローチを持っています。
その多くは無意識に行われていますが、いくつか注目すべき例を紹介します。

ビブラート – B.B.キング(B.B. King)

彼の名前を挙げるのはもう何度目かわかりませんが、やはりB.B.キングのビブラートは外せません。腕全体を使って大きく揺らす「広いビブラート」が特徴的ですが、実はとても繊細な表現も可能です。

面白いのは、彼のギターと歌声のビブラートがほとんど同じであること。
ギターとボーカルの両方を担当するミュージシャンには、このような共通点を持つ人が少なくありません。

ライブ映像を見れば、彼がどれだけビブラートを大切にしているかがすぐにわかります。

 

パームミュート – オーラ・イングランド(Ola Englund)

現代的なプレイヤーとしては、Ola Englundが代表的です。
彼はメタルギタリストとしてだけでなく、YouTuberや実業家としても成功しています。「The Haunted」などのバンドで活躍し、日本のLOUD PARKフェスでも演奏しました。

YouTubeチャンネル「Sundays With Ola」では、毎回新しいリフを披露しています。
その中で必ずといっていいほど登場するのが、力強いパームミュート。
リフに厚みとパンチを与える、まさに彼の代名詞です。

 

アクセント – ラベア・マサード(Rabea Massaad)

ラベア・マサードとは同じ大学で学んだことがあります。彼はRob ChapmanのYouTubeチャンネルで注目を集め、その後「Dorje」や「Toska」などのバンドで活躍。
最近では「Vower」や「Frog Leap Studios」での活動でも知られています。

彼の演奏は非常にパーカッシブで、ドラマーとしての経験が大きく影響しています。
アクセントやスタッカートを多用したリズムプレイが特徴で、複雑な変拍子を使わずとも、十分に個性的なリフを生み出しています。

 

 

まとめ

アーティキュレーションの組み合わせは、暗証番号のように無限に存在します。
コードの種類が多すぎて混乱する初心者がよくいますが、焦る必要はありません。

いくつかの基本的なテクニックを覚え、組み合わせを試しながら、自分の表現を探していけばいいのです。演奏の中で新しい発見があれば、それを積極的に取り入れていきましょう。

おすすめの練習法として、先生や仲間と一緒に「一つのフレーズをどれだけ違う表現で演奏できるか」を競ってみてください。最後までアイデアが尽きなかった人が勝ちです。

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