リズム・ギターを上達させるために ― 音符の長さを理解する
ギタリストにとって、リズムをしっかり理解しておくことは不可欠です。これは、伴奏(コンピング)で曲を支えるときや、ソロ演奏の際により良い選択肢を持つためにも役立ちます。
楽譜を書くときや読むときに、楽譜上の音符の長さを視覚的に認識したり、耳で聴いて理解できるようになると、一緒に演奏したいと思われる存在になれますし、自分自身の演奏もずっと楽になります。
リズムの表記
まずは基本的なリズムの表記について学びましょう。ここでは基礎だけを扱いますが、この知識が大部分を占めることになります。ここから派生させて発展できるからです。
今回は 4/4拍子 (コモンタイム)を使います。小節の中は必ず「4拍」ちょうどにならなければなりません。多すぎても少なすぎてもいけません。

休符
すべての音符の長さには、対応する休符が存在します。休符は「どのくらいの時間、音を出さずに休むか」を正確に示しており、その時間を守ることが大切です。

拍子記号
拍子記号は、1小節の中にいくつの拍があるかを示します。曲の途中で拍子が変わる場合もありますが、ポピュラー音楽ではそれほど一般的ではありません。以下はいくつかよく使われるものです。
こちらは 1小節に4拍が入る拍子で、「コモンタイム」とも呼ばれるほどよく使われています。

次は 3/4拍子 です。ワルツを数えるときに使われる拍子ですね。この場合、1小節には4分音符が3つしか入りません。

最後は 6/8拍子 です。バラードに多く使われ、1小節には8分音符が6つ入ります。名前からも分かる通りですね。この拍子を「正しく感じる」ことが難しい場合もありますが、**1拍目と4拍目にアクセントを置く(1 2 3 4 5 6)**と、自然に聴こえるようになります。

ジャンル別の例
ここでは、さまざまな拍子を使ったジャンルを見ていきましょう。頭の中でカウントできるか試してみてください。
4/4拍子
どんなジャンルにも数えきれないほどの曲がこの拍子で書かれています。いくつか例を挙げましょう。
- AC/DC – Back in Black
https://www.youtube.com/watch?v=pAgnJDJN4VA
史上最も売れたロックアルバムのタイトル曲です。AC/DC は曲作りにおいてあまり冒険しないバンドですが、その分「やることを完璧にやる」タイプです。 - Amy Macdonald – This is The Life
https://www.youtube.com/watch?v=iRYvuS9OxdA
コードやストロークの練習に最適で、美しいハーモニーも聴けます。シンプルなポップソングにフォークの要素を加えた楽曲で、王道から外れない分とても学びやすいです。
3/4拍子
先ほども触れたように、3/4拍子はワルツに強く結びついていますが、ポップスやロックを含む多くのジャンルでも使われています。
- Johann Strauss II – 美しく青きドナウ
https://www.youtube.com/watch?v=_CTYymbbEL4
私がこの曲とヨハン・シュトラウスIIに出会ったのは、幼い頃に観ていた『トムとジェリー』のあるエピソードでした。昔のカートゥーンは素晴らしい音楽を使っていて、こうした名曲に触れることもできました。 - Tommy Emmanuel – Amazing Grace
https://www.youtube.com/watch?v=2XvHKOpDfek
アレンジされたバージョンで、特にイントロはルバート(自由なテンポ)ですが、拍子感はしっかりと感じられます。他の拍子ではうまく機能しないフレージングです。
6/8拍子
バラードでよく使われますが、このジャンルだけではありません。以下の曲を聴いてみましょう。
- Guthrie Govan – Ner Ner
https://www.youtube.com/watch?v=jTU72OjVrZY
ガスリー・ゴーヴァンの天才ぶりについて語り出すと止まりませんが、ここではぜひ曲を聴いてリズムを数えてみてください。ドラムとギターが 1拍目と4拍目を強調しているのが分かるはずです。その後はただ音楽を楽しんでください! - Alicia Keys – If I Ain’t Got You
https://www.youtube.com/watch?v=Ju8Hr50Ckwk
アリシア・キーズは素晴らしい歌手であり、ピアニストであり、ソングライターです。この曲は彼女の歌唱力とピアノの腕前をよく示しています。特にコードボイシングがとても味わい深いです。聴き慣れている人も多いと思いますが、ドラムが1拍目にキック、4拍目にスネアを置いているのに注目してください。男女ヴォーカルの高音域と低音域のハーモニーの分け方も絶妙です。
練習課題
ここで2つのエクササイズを紹介します。音符と休符の両方が含まれ、2分音符・4分音符・8分音符を使っています。紙に書き写し、その下に拍数を書き込むと分かりやすいでしょう。
できれば、手拍子・開放弦でのストローク・コードを変えて繰り返し演奏するなど、さまざまな方法で試してみてください。

まとめ
今回の記事はリズム・ギターに関する入門編でした。今後のブログ記事では、さらに多様な拍子記号や細かいリズム分割、難しいリズムの考え方などを扱っていきます。
自分でもリズム課題を書いてみることをおすすめします。ただし必ず「合計で4拍になる」ように注意しましょう!一つ注意点として、全音符ばかり使っても練習にはなりません。音符やコードは必ず指定された長さだけ保持するようにしてください。
手書きで譜面を書くのはとても充実感があり、リラックス効果もあります。インターネットから五線譜をダウンロードしたり、文房具店で白紙の譜面を買ったり、普通の紙を使っても構いません。
ここで紹介した内容で分からない点があれば、必ず先生に聞くか、アメリカン・ギター・アカデミーに相談してください。リズムの天才や初見演奏の達人になる必要はありませんが、少しでも努力すれば必ず演奏力の向上につながります。

