ギタリストが(知らず知らずに)やってしまう迷惑なこと
世間のイメージとは違い、ギタリストは完璧ではありません。驚きかもしれませんが(笑)、あなた自身も、無意識のうちに周りのミュージシャンをイラッとさせてしまうことがあるかもしれません。
これはギタリストに限った話ではなく、どんな楽器奏者にも当てはまります。ですから、サックス奏者の「あるある」リストを作ってみるのも面白いかもしれませんね!
ここでは、僕自身がやってしまった反省点と、それをどう克服してきたかをいくつか紹介します。

機材/音作りにこだわりすぎる
ギタリストの多くは、機材へのこだわりが極端です。
片方には「安くても同じでしょ!」と、とにかく安物を買う人。
もう片方には「高ければ音も上手さも上がる!」と思い込んで、高級機材を買い集める人。どちらも極端ですね(笑)。
僕の友人の中に、とても腕の立つギタリストがいます。彼は高価な機材も安価な機材もどちらも持っていて、それぞれの用途を理解しています。僕も同じようなスタンスで、シチュエーションに合わせて機材を使い分けるようにしています。これによって、ライブの準備やセットアップがとてもスムーズになるんです。
自分にとって「何がベストな機材か」を理解し、持っている機材の特性や音作りのコツを知っておけば、演奏に集中する時間が増えます。
音に自信がある状態で演奏できれば、余計な心配をせずにプレイそのものに集中できます。
ベッドルームトーンからライブトーンへ
多くのギタリストが直面する問題のひとつに、「部屋で作った音がライブでは再現できない」というものがあります。さらに、演奏する空間や一緒に演奏するメンバーによっても調整が必要です。
特にメタル系ギタリストに多いのが、低音を強調しすぎてゲインをかけすぎるケース。自宅では分厚くて最高の音に感じても、バンド全体ではモコモコして埋もれてしまいます。その結果、他のメンバーから「音が聞こえない」とか「うるさすぎる」と不満が出ることに。
また、アンプの向きにも注意です。スピーカーの音が足元を通り抜けてしまって、自分だけ聞こえない…という状況はよくあります。そのままボリュームを上げると、客席やメンバーは地獄です(笑)。
解決策としては:
- アングル付きキャビネットやアンプスタンドを使う
- アンプを上向きにして音を耳に届きやすくする
- モデラーを使っているなら、インイヤーモニターを導入する
ちなみに僕は昔、Marshall JVM210cを椅子2脚の上に乗せて演奏していました(笑)。Kemperを使うときも、会場のモニターやPAに頼らざるを得ないのが悩みです。
ソロブーストも要注意。ゲインを増やしただけでは音量が上がらず、むしろ潰れてしまうことがあります。僕はアンプのエフェクトループにクリーンブースターを入れて、約6dBだけ上げるようにしています。これなら音量だけ上がって、音質は変わりません。
曲をちゃんと覚えない
年々痛感しているのが、「ソロを完全再現すべき曲」と「アレンジや即興が許される曲」の区別があるということ。
特に前者を勝手に変えてしまうのは大問題。ギタリストの「俺が主役!」という意識が強すぎると、バンド全体の意図を無視してしまいがちです。これはかなり自己中心的で、他のメンバーをイラつかせます。
例えば、以下の曲のソロを適当に弾いたら即アウトです:
- Guns N’ Roses – Sweet Child O’ Mine
- Van Halen – Eruption
- Megadeth – Tornado of Souls
- Led Zeppelin – Stairway to Heaven
これらは100%再現必須。唯一、アレンジできるのは作曲者本人だけです。Slashが『Sweet Child O’ Mine』のソロを新しく弾き直すなんて、誰も望んでませんよね。
これはソロだけでなく、リフやフィル、コードボイシングにも当てはまります。

最後に
ここまで挙げたポイント、どれも僕自身が経験したものです。
もし今あなたがやっていなくても、過去にやったことがあるか、将来やることになるでしょう(笑)。
今回の内容は「他の楽器奏者をイラつかせるギタリストの行動」についてでしたが、「ギタリスト同士」でのイラッとポイントも数えきれません。例えば…
- チューニングが甘い(ネック全体で気持ちよく響く?)
- 弦の端を切らずにブラブラさせている
- 機材がオーバースペック(ローカルバーで4×12キャビ2台はやりすぎ!)
- 見た目や機材でジャンルを決めつける(7弦でもブルースは弾ける!)
- 年齢で経験値を判断する(50歳でも18歳の方が上手いこともある!)
あなたはギタリストの「迷惑行動」で思い当たることがありますか?
先生をしている方なら、さまざまな年齢やレベルの生徒を通じて、数え切れない「悪い癖」を見ているはずです。でも、生徒の場合はそれを直そうとしているので問題ありません。
もし機会があれば、先生に「今まで出会ったギタリストの共通する悪い癖って何ですか?」と聞いてみてください。きっと面白い話が聞けると思いますよ。

