ギターケースの選び方|大切なギターを守るために知っておきたいこと
ギターケースは、意外と後回しにされがちなアイテムです。特に「少しでも出費を抑えたい」と考えている人ほど、ケースにはあまりお金をかけない傾向があります。
しかし、ギターを長く使うのであれば、ケースは決して軽視できません。
今回は、私自身がこれまで実際に使ってきたさまざまなギターケースの経験をもとに、「最低限ここだけは押さえておきたいポイント」から、用途別・予算別のおすすめまで紹介していきます。
ちなみに、この記事を書く前にふと思い出したのですが、13歳くらいの頃の私は、ボロボロのアコースティックギターを黒いゴミ袋でぐるぐる巻きにして、ガムテープで固定した状態で練習へ持って行っていました。
……皆さんは、どうか真似しないでください。

まずは最低限必要な性能
価格やブランドに関係なく、ギターケースとして最低限満たしてほしい条件があります。
例えばこんなポイントです。
- ホコリや擦り傷からギターを守れること
- 完全防水でなくても、防滴性能があること(突然の雨でも数秒程度なら問題ないレベル)
- 持ち運びしやすいこと(ショルダーストラップや持ち手など)
アンプ用のフライトケースであればキャスター付きだとさらに便利ですね。
後ほど詳しく紹介しますが、Temuなどで売られている極端に安いケースは、正直なところティッシュ箱より頼りにならない場合もあります。
最低限の品質だけは妥協しないことをおすすめします。
自分の使い方を考える
ケース選びで一番重要なのは、「自分がどんな環境でギターを使うのか」を考えることです。
普段は家でしか弾かない人でも、いつかスタジオや友人の家へ持って行く機会はあるでしょう。
その程度であれば、Amazonなどで販売されているエントリーモデルでも十分かもしれません。
私が大学生だった頃、裕福な家庭で育った友人がいました。彼は現在でも海外ツアーを中心に活動しているプロミュージシャンです。
彼は当時からMono製品を何種類も使っていました。
今では私も「Monoは最高クラスのギグバッグを作るメーカーのひとつ」と思っていますが、学生だった私は「高すぎる」としか思っていませんでした。
その後、有名なセッションギタリストへインタビューした際にも、彼はMonoを使用していました。
しかも、その日は故障したケースを交換するためにAndertons Musicへ向かう途中だったのですが、Monoは販売店を通じてすぐ新品交換に対応してくれたそうです。
その手厚いサポートに感心し、学生割引込みで約140ポンドを出してMonoのフラッグシップモデルを購入しました。
結果として、そのケースは10年間使い続けることができ、世界各国でのツアーも乗り越えてくれました。
個人的には、これ以上ないほど満足したケースです。
では、ライブ活動をしていなかったとしても買ったか?
答えは「おそらくYES」です。
ちょうどその頃、初めての高級ギターである愛用のGibson Les Paulを購入したばかりで、付属ハードケースより持ち運びしやすいものが欲しかったからです。
さらに、そのケースは所有していたほぼすべてのギターに対応しており、その寿命が尽きるまで長く使い続けることができました。
中には現在ではかなり価値が上がったギターもあります。
逆に、ライブは頻繁に行うものの、比較的手頃な価格帯のギターを使っているのであれば、そこまで高価なケースを選ぶ必要はないでしょう。
ケースのほうがギター本体より高価というのは、個人的には少し違和感があります。
その場合はGatorのような中価格帯の製品がおすすめです。
十分な保護性能を持ちながら、価格とのバランスも非常に良好です。
一方で、海外ツアーが多く、飛行機やツアーバンで複数本のギターをまとめて運ぶような環境であれば、Enkiのような本格的なツアーケースが最適でしょう。
結論として、電車や公共交通機関で自分自身がケースを持ち歩く機会が多いのであれば、高品質なギグバッグへの投資をおすすめします。
逆にツアーバス中心の移動ならハードケースにも十分価値がありますし、大規模なツアーを行うアーティストであれば、運搬方法そのものを見直す必要があるでしょう。
周辺アクセサリーも魅力
Monoの魅力はギターケースだけではありません。
アコースティックギター用モデルや、ケースに取り付けられる「Tick」という収納ポーチなど、便利なアクセサリーも充実しています。
収納力を増やしたい人には特におすすめです。
また、多くのメーカーではペダルボードケース、ラックケース、アンプ用フライトケースなどもシリーズ展開しています。
やはり機材を同じブランドで揃えると統一感があって気持ちがいいですよね。
ケースにはしっかり予算をかけよう
お気に入りのInstagramギタリストがおすすめしていた高価なオーバードライブペダルを買う前に、まずケースへ投資することをおすすめします。
普段は問題なくても、一度落としたりぶつけたりした時に、「もっと良いケースを買っておけばよかった」と後悔することになります。
もちろん、無理をする必要はありません。
予算が限られているなら、中古品も十分選択肢になります。
新品では手が届かない高品質モデルを、お得に購入できることも珍しくありません。
以下は、予算別のおすすめです。
高価格帯
Mono M80-EG-BLK(35,800円/£166.36/$221.94)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/258188/
私が10年間愛用していたケースです。
ヘッドストックをしっかり支える構造なので、角度付きヘッドストックのギターにも安心して使えます。
ベース用、アコースティック用、2本収納タイプなどラインナップも豊富です。
Enki X3(129,044円/£599.80/$799.99)
https://enkiusa.com/products/enki-x3-electric-acoustic-guitar-case
海外ツアーを行うプロミュージシャンから非常に高い評価を受けている複数本収納ケースです。
日本ではほとんど流通していませんが、似たコンセプトの商品はいくつか販売されています。
中価格帯
GATOR G-PG ELECTRIC(18,600円/£86.45/$115.24)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/270362/
耐久性・クッション性・収納力のバランスが非常に良く、価格以上の安心感があります。
ファスナーの品質も高く、個人的にも信頼しているシリーズです。
低価格帯
Fender FE1225(6,380円/£29.64/$39.52)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/240097/
シンプルなギグバッグですが、多くの一般的なエレキギターに対応しています。
丈夫さや背負いやすさは十分ですが、前面ポケットは見た目ほど収納力がありません。
あまりおすすめしないもの
AliExpressやAmazonなどで販売されている極端に安価なケースは、あまりおすすめできません。
少し大げさかもしれませんが、それならティッシュペーパーで包んだほうがマシ……と言いたくなる製品もあります。
ケースはギターを守るためのものです。
価格だけで選ばないようにしましょう。

まとめ
今回紹介した内容は、私自身が「普段使いなら高品質なギグバッグを選ぶ」という考えを前提にしています。
東京では電車で移動しながらリハーサル、ジャムセッション、ライブハウスを回ることが多いため、私にとってはハードケースより圧倒的に便利だからです。
もちろん、GatorやSKBは非常に優秀なハードケースも製造しています。
最後にもうひとつ紹介したいのが、現在は生産終了となっている「Reunion Blues RBC-E1」です。
現在でも同社から後継モデルが販売されており、コンパクトながら保護性能に優れたケースとして高く評価されています。
ぜひこちらもチェックしてみてください。
結局のところ、一番大切なのは「自分のギターをどれだけ大切に思っているか」です。
自分の演奏スタイルや移動環境に合ったケースを選び、大切なギターを長く安心して使っていきましょう。

