フリーレッスン集

FREE LESSONフリーレッスン集

代替チューニング入門: DADGADチューニング

オープンCチューニングと並んで、DADGADチューニングもまた代替チューニングの世界で大きな存在感を放っています。その名の通り「DADGAD」とは、各弦の音を示しており、どのようにチューニングすればよいかが分かるようになっています。

このチューニングはアコースティックギターと、そのジャンルに関連した音楽によく使われます。フォーク、ブルーグラス、ブルース、カントリーなどがその例です。しかしこのチューニングは、それだけでなく有名なロックソングでも使用されており、さらに自分自身の演奏に取り入れるユニークな方法も紹介します。

チューニング方法

このチューニングに最も近いのはドロップDチューニングで、下記の表の通りです。これはすでに馴染みがある方も多いと思うので、ここを出発点にして説明します。

6 5 4 3 2 1
D A D G B E

 

6〜3弦(太い方の弦)はそのままでOKです。変更が必要なのは2弦と1弦で、どちらも全音(2フレット分)下げます。結果として、以下のようなDADGADチューニングが完成します。

 

6 5 4 3 2 1
D A D G A D

 

一部の人は「ドロップDとドロップCの組み合わせ」と表現することもありますが、私はその評価には賛成しません。ドロップチューニングの目的は、1本指でパワーコードを弾けるようにすることですが、DADGADはそれに加え、一般的なスケールやコードもある程度使用可能にする特徴があります。

ある記事の言葉を借りれば、「DADGADは怖がる必要なし。なぜなら半分(3〜5弦)はスタンダードと同じだから!」とのことです。

有名な楽曲

このチューニングを使用した有名な曲をいくつかご紹介します。ジャンルを幅広く取り上げていますが、DADGADを使用した曲のプレイリストもオンラインで多く見つかるので、ぜひ探してみてください。

Kashmir – Led Zeppelin

https://www.youtube.com/watch?v=tzVJPgCn-Z8

レッド・ツェッペリンは世界で3億枚以上のレコードを売り上げた、史上最も有名なロックバンドの1つです。ストリーミングが存在しなかった時代にこの数字は驚異的です。

以下のドキュメンタリー映像(短編)で、ギタリストのジミー・ペイジはこの曲が「Swan Song」という未発表曲のエンディングから発展したことを説明しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ODidAgdL40Y

Given to Fly – Pearl Jam

https://www.youtube.com/watch?v=satY_ofTNo4

90年代グランジムーブメントの先頭に立ったバンドの一つ、パール・ジャムの曲です。ギタリストのマイク・マクレディは、レッド・ツェッペリンの影響でオルタネート・チューニングを使うようになったと述べています。

Everlong(アコースティックアレンジ) – Mike Dawes(元曲:Foo Fighters)

https://www.youtube.com/watch?v=-IzrHBJAE9k

マイク・ドーズはここ数年で高い評価を得ているアコースティックギタリストで、Foo Fightersの名曲を一人でアレンジ・演奏しています。ベースラインを含め、ほぼ全ての楽器をギター1本で再現しており、DADGADチューニングなしでは不可能に近いアレンジです。

役立つヒント

ドローン音を活用

DADGADではD音が3つもあるため、オクターブやドローンのような持続音とメロディを組み合わせて演奏するのが容易です。ドローン音はスケールを通して音の色を変えるため、創造力が刺激されます。

スライドギターにも使える

スライド奏法は通常オープンチューニングで行われますが、DADGADでも新しい可能性が生まれます。隣接する弦にスケールが集まる傾向があるので、独自のフィーリングが得られます。

頭を使う練習になる

新しいチューニングでスケールを探るのは、非常に良い頭の体操になります。慣れた形に頼れなくなることで、より深く考えて演奏するようになります。

コードも同様で、通常のオープンコードやバレーコードは通用しません。DADGADでは分数コードやシェル・ヴォイシング(コードの一部だけ)を多用するようになります。

最後に

どのチューニングも、実際に試してみないとその良さは分かりません。ぜひDADGADで1曲書く、学ぶ、アレンジするという挑戦をしてみてください。私のオープンCチューニングの記事でも触れましたが、Devin Townsendもレッド・ツェッペリンの「Friends」から影響を受けて、このようなチューニングを愛用しています。

標準チューニングの代わりにはなりませんが、新しいインスピレーションを与えてくれるのは間違いありません。ギターを複数本持っているなら、1本は常にDADGADにしておくと便利です。頻繁にチューニングを変えるのはギターに負担がかかるため、専用にセットアップすることをおすすめします。

アメリカン・ギター・アカデミーの講師陣は、このようなチューニングを詳しく指導する準備ができています。興味があればぜひご連絡ください。一緒に学び始めましょう!

電話申込み
無料でプロ講師の
アドバイスを受ける
無料でプロ講師の
アドバイスを受ける
ページトップへ