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Journey to the Valley of the Damned Through the Fire and Flames: パワーメタル入門

もしご自身が高潔な冒険者となり、忘れ去られた時代の神秘的な世界でドラゴンや古代の魔物と戦う生活を想像されたことはありますでしょうか。実際には、ドラゴンなどの生物を用意することが難しいため、現実ではそのような冒険を体験することはできません。しかし、パワーメタルの世界に浸ることで、それに近い感覚を味わうことができます。パワーメタルはしばしばファンタジーをテーマとし、バンド自体が物語の登場人物を演じるコンセプトで活動している場合もあります(Steel Panther のようですが、魔法と剣を扱うイメージです)。

本記事では、ここ数十年の間で私が特に重要だと考えるパワーメタルの代表的なバンドをご紹介いたします。評価が分かれるものもあるかもしれませんが、あくまで私のリストであり、新しい発見につながれば幸いです。

 

パワーメタルとは

パワーメタルはヘヴィメタルの一種で、オーケストラや合唱といった劇場的な要素を取り入れることもあり、ファンタジーを題材としたストーリー性のある歌詞が特徴です。楽器編成としては高速ギターと激しいドラムが基本で、シンセサイザーやキーボードが重要な役割を担うことも多くあります。

意外に感じられるかもしれませんが、曲の途中でメジャーキーに転調したり、明るい雰囲気になることがあります。これは歌詞の中で勇者が勝利する場面など、ポジティブな展開に合わせて使用されることがよくあります。

 

バンド紹介

Dragonforce

 

 

Dragonforce は、スタジオ音源を早送りしているのではないか、ライブで口パクしているのではないか、といった疑惑をかけられたり、ライブが面白くないという声もあります(私は実際にライブを見たことはありません)。しかし、パワーメタルのリストに彼らを挙げないわけにはいきません。彼らは20年以上活動しており、特に2007年以降、Guitar Hero 3 の影響で大きく知名度を上げました。バンドの代表曲「Through the Fire and Flames」はゲーム内で最難曲として知られ、多くのプレイヤーに挑戦と挫折を与えました。最高難易度で100%を達成した人々は、まさに伝説的な存在でした。

私はここ数年しっかり聴くことはありませんでしたが、初期の数枚のアルバムは胸を張っておすすめできます。特に10代前半の頃は「Inhuman Rampage」と「Ultra Beatdown」を繰り返し聴いていました。

なお、ギタリスト Herman Li の新しいシグネチャーPRSモデル「Chleo」については、正直に申し上げて好みではありません。

Valley of the Damned

「Valley of the Damned」は、私が Dragonforce の曲の中で特にお気に入りの一曲です。象徴的なソロ、勢いのあるコーラス、そして当時のボーカル ZP Theart による素晴らしい歌唱が印象的です。

 

Gloryhammer

 

 

Gloryhammer のボーカルは、Angus McFife というキャラクターを基にしていますが、このキャラクターはこれまで2人の歌手によって演じられてきました。見た目は Marvel のヴィラン・ロナンの「善玉版」のような雰囲気で、大きなウォーハンマーを振るう姿は非常に特徴的です。

力強い合唱、アンセム的な展開、そして緻密な世界観が好きな方にはぜひおすすめしたいバンドです。

Keeper of the Celestial Flame of Abernethy

私が Gloryhammer をよく聴いていた時期は、大学卒業後に特定の仕事をしていた頃でした(ヨーロッパ各地での演奏や指導と並行して)。そのため、曲名やアルバム、バンドの設定をほとんど理解していませんでしたが、数年前に高品質なライブ映像を観て非常に魅力的なバンドだと気づきました。細かいことは気にせず、音楽そのものを楽しむことが大切だと感じます。

この曲はとても楽しい一曲ですので、ぜひ聴いてみてください。

 

Sabaton

 

 

Sabaton は、このリストの中でも特に独自性のあるバンドで、ほぼ全ての楽曲が戦争をテーマにしています。時代も国も多岐にわたり、異なる種類の戦いが題材となります。パワーメタルらしい力強い合唱に加え、ライブステージは非常に迫力があり、ジャンルを問わずトップクラスの演出規模を誇ります。戦車型のセットなど、視覚的にも大変印象的です。

The Attack of the Dead Men

この曲はパワーメタルとしては比較的短く、4分弱の長さです。ヴァースとコーラスを貫く4つ打ちのグルーヴは非常に特徴的です。また、第2ヴァースに16分音符を加えることで曲に発展性を持たせつつ、全体の一貫性を保っている点も注目です。リードギターは技術面も優れていますが、それ以上にメロディの効果を重視しています。

歌詞は第一次世界大戦中、ポーランドのオソヴェツで起こった「死者の攻撃」と呼ばれる出来事を基にしています。塩素ガス攻撃を受けたロシア兵が生き延び、反撃に転じたとされる事件です。歴史の学びとヘッドバンギングが同時に楽しめます。

 

Stratovarius

 

 

Stratovarius は1980年代初頭から活動するフィンランドの古参バンドで、特にヨーロッパや日本で強い人気を持っています。彼らの楽曲は必ずしもファンタジーだけを扱っているわけではなく、前向きなメッセージを主題とした曲も多くあります。

また、彼らは非常に魅力的なメロディを書くため、一度聴くと頭から離れなくなることもしばしばです。ギターソロも素晴らしいのですが、しばしばメロディに存在感を奪われてしまうほどです。

Eagleheart

「Eagleheart」は2000年代初頭を代表するアンセムであり、ミュージックビデオをご覧いただければ、その時代らしさがよく伝わると思います。ややチープな映像効果や、21世紀初頭特有の雰囲気はさておき、メロディは非常に印象的で、ギターソロに登場するアルペジオは良い練習にもなります。

 

まとめ

私はパワーメタルを聴くとき、気分が大きく影響します。時には少し「チーズ感」が強く感じられたり、もっと攻撃的な音楽を聴きたい気分のときもあります。しかし、トレーニング中や『Skyrim』のようなアドベンチャーゲームをプレイするとき、そしてかつて LaserQuest をした際(その時は選択肢が無かったのですが)には、とても相性が良いと感じました。高エネルギーの場面によく合うのだと思います。

パワーメタルには他にも多くのバンドがあり、またパワーメタル的な要素を持ちながらジャンルとしては別とみなされるバンドも存在します。Symphony X、Dream Theater、Nightwish なども高音域のボーカルや高速フレーズといった共通点はありますが、複雑さやオーケストラ要素が強いため、シンフォニックメタルやプログレッシブメタルとして分類されることが多いです(もっとも私は細かい分類は気にせず、好きなものを聴く派です)。

最後に1つおすすめの楽しみ方をご紹介いたします。上記の曲、あるいは類似のパワーメタルの曲を聴く際に、目を閉じてその曲がどのような情景として浮かぶか想像してみてください。パワーメタルは描写が豊かで、聴き手の心に鮮やかなイメージを呼び起こすことが多いジャンルです。皆さまにはどのような景色が見えるでしょうか。

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