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ギター修理 ― 自分でやるべき時、プロに任せるべき時

ギターを持っている限り、いつかは何かしらの不具合や調整が必要になるものです。
それが複数のギターを所有している場合は、なおさらトラブルの機会が増えるでしょう。 弦交換はもちろん基本中の基本ですが、簡単で定期的なメンテナンスを行うだけでも、ギターの弾き心地や音は大きく改善します。
しかし、今回のテーマはもう少し深い部分 ― ギターが抱える“その他の問題” についてです。

ここでは、「こうすれば修理できる」という具体的な手順を説明するのではなく、自分で修理を学ぶべきか、それともプロに任せるべきか を判断するための考え方を紹介します。良いルシアー(ギター職人)とは、できるだけ近くにいてほしい存在です!

この記事では、論理的な観点からアドバイスをしつつ、私自身がこれまでに経験した実際の修理エピソードも交えてお話しします。

 

 

どんな問題が起こりうるのか?

たとえば、測定や判断の結果「トラスロッドを調整する必要がある」と気づいた場合。
最初は怖く感じるかもしれませんが、慎重に少しずつ回し、ギターを休ませながら状態を確認すれば、ほとんどの場合問題は起きません。
しかし、正しい工具を持っていなければ、次のようなトラブルが起こる可能性があります:

  • 間違った測定によって不要な調整をしてしまう

  • サイズの合わない六角レンチでナットをなめてしまう

  • トラスロッドを締めすぎて破損させてしまう(これは非常に高額な修理になります!)

ですので、このような作業を行う際は、正しい知識と工具を持つことが最も重要 です。オンラインガイドやYouTubeの動画などで基本的なやり方を学び、必要な工具はAmazonなどで簡単に入手できます。トラスロッドの問題は比較的簡単に直せるものが多く、万が一ミスをしても致命的な結果にはなりにくいです。

はんだごて作業について

良いはんだごてを持っていれば、簡単な改造や修理、電子パーツのクリーニングなどができるようになります。
ただし、使い方に慣れていない場合は、次のようなトラブルが発生します:

  • はんだ付けを失敗して余計な配線を無駄にする

  • 部品同士の接点がきちんとつながらない

  • はんだを盛りすぎてアース(接地)に問題を起こす

  • 部品を加熱しすぎて破損させる

  • 自分の指を火傷する(これは絶対に避けましょう!)

私ははんだ付けは得意な方ですが、妻のほうがさらに上手なので、私は指示役として彼女に修理をお願いすることが多いです。はんだ付けでは 「忍耐」と「素早さ」 の両方が求められます。ただし、ギター全体の配線をやり直したり、ハーネスを調整したりする作業は、思っている以上に複雑になりがちです。経験豊富な技術者であれば、整理された方法で確実に作業を進められるでしょう。

 

私自身の体験談:ピックアップ交換の失敗と成功

今年の初め、古いジャクソンのギターに新しいピックアップを取り付けようとしました。ピックアップ自体はコイルタップ対応のものでしたが、私はシンプルに3ウェイスイッチ(ブリッジ・ミドル・ネック)で使いたかったのです。
 

理論上は簡単な作業のはずでしたが、実際に組み込むとネックピックアップだけ音量が極端に小さいという問題が発生。おそらく本来の20%ほどしか出力が出ていなかったと思います。

数日間、自分なりに原因を探り、海外のテクニシャン仲間にも相談しましたが解決できず、最終的に信頼している楽器店に持ち込みました。そこのリードテクニシャンはギターを見るなり、テスターで一箇所を確認し、見事な手さばきではんだ付けをしてくれました。わずか3分で完全復活!まさに職人技を目の当たりにした瞬間でした。

 

この手の作業を学ぶべき?

結論から言えば、ある程度は学ぶべきです。トラブルの診断や軽い修理が自分でできるようになれば、時間もお金も節約できます。たとえ自分で修理できなくても、「どこが問題か」を技術者に正確に伝えられるだけで、修理はスムーズになります。

ただし、すべてを学ぶ必要はありません。例えば、「リフレット(フレット打ち直し)」のような高度な作業は、専用の工具を持たない限り手を出すべきではありません。ギターを数本しか所有していなかったり、10年単位でフレット交換の必要がないような場合は特にそうです。

一方で、接点復活剤(コンタクトクリーナー) を使ってポットやスイッチを掃除する程度のメンテナンスは、コストもかからず効果抜群です。

他にも、トラスロッド調整、ピックアップの高さ、弦高(アクション)、イントネーションなどは、ギタリストなら自分でできるようになっておくと良いでしょう。
正しい工具が必要とはいえ、高価なものは不要です。

(私はAmazonで安価な測定ツールを使っていますが、AliExpressやTemuの最安品は避けたほうが無難 です。)

 

 

まとめ

どんなに丁寧に扱っていても、ギターにはいつか必ず問題が発生します。
複数の小さな不具合が重なったり、突発的なトラブルが起きたりするのは避けられません。このブログが、そうした時にどう対処すべきかを考えるきっかけになれば幸いです。

私がこれまでに受けた中で最も印象的なアドバイスは、「わからないなら、やらないこと。」です。

初心者でもベテランでも、弦交換だけは自分でやるべきです。何十年ギターを弾いていても、今でもお店に弦交換を依頼している人を見かけますが、これは自分でやるべき基本中の基本です。

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ぜひチェックしてみてください。

もしギターの状態に不安がある場合や、ちょっと点検してほしいと思ったときは、
次回のレッスンで先生に相談してみてください。The American Guitar Academy の講師陣は、全員が基本的なメンテナンスを習得しています。

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